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執筆者の写真坂上 健

ダンスとの向き合い方

更新日:7月30日

人はそれぞれ違う人生を歩むものであり、経験や考えは異なります。

ダンスが自己表現であるならば、人それぞれの動きは異なるはずだし、自分の理解や想像を超えた踊りに出会うことも当然あるでしょう。

そのような踊りの個々の違いや多様性を僕は受け入れたいと思っています。そして今の自分には理解できないようないい意味での「変なダンス」出会いたいのです!


人は理解できないことを避けるように踊りに意味を与え評価する基準を設け、その範囲内で理解しようとする。しかしそれは表現の世界に制限を与え、排除の道を作ることに繋がりかねません。

点数や一定の枠で評価できるほど身体表現の世界は小さくないし、無限の可能性を秘めているものこそダンスだと思うのです。


僕はダンスを通じて相手のことを知りたいと思っています。「どうしてあんな動きになったのか」、「あの動きにはどんな意味が込められていたのか」...

考えることは相手を知ろうという行為であり、その行為が発展してダンサーとお客さん、もしくはお客さん同士で作品に関して話すことができればとても有意義な時間になります。

ダンスが相互理解に役立つことも経験として感じることです。


そしてダンスには言葉では表現できない人間の根源的な何かが放たれる。

人には言葉では説明できない、または説明したくないことを心身に抱えることがあります。その心身に蓄積されたものを外に表現し開放できるのも踊りではないでしょうか。

そこには感覚的なものや直感的なものが多く含まれているので、他人にとって理解するのが難しいのは当然のことでしょう。

言葉にはできないけれど心身で感じたものが体で表現される。そこには個々人の深い内面的世界が映し出され、個性となって伝わってくることでしょう。


何かと比べることなく、自身や他者などの外的刺激と向き合う中で内側から自然に湧いてくる何かを身体で表現すること、もしくは身体を動かす中で自分の内側のエネルギーを感じそれを味わいながら踊ること、これを実現するのに僕にとって最適な方法が即興的なダンスです。自分を素直に表現できる即興。


ダンスが他者との共存や多様性を認め合う存在であり、自己を解き放てる希望となることを願って...







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